債 務 整 理 [消滅時効Q&A]
消滅時効の改正について詳しくは下記の「民法改正後の消滅時効」をご覧ください。
当事務所の債務整理専門サイトの「消滅時効Q&A」では、より詳しく、具体事例を用いてわかりやすく解説しています。
本サイトのQ&Aは、簡略に説明していますが、詳細な説明によりもっと詳しく消滅時効について知りたい方は是非、専門サイト版「消滅時効Q&A」をご覧下さい。
※下記Q&Aの事例は、原則貸金業者(商人)や会社からの借り入れ(消滅時効期間は商事債権として5年間)の場合を想定しています。
※ 個人間の貸借のように「商人や会社でない者が双方当事者となる貸借」の場合は民事債権となり、消滅時効期間は10年となります。(旧法 民法167条)
※ 信用金庫、信用組合、農協、漁協、商工中金、労働金庫等は会社や商人ではなく「非営利法人」ですので、原則消滅時効の期間は10年となります。 新法では、貸金業者であろうが個人であろうが、区別なく消滅時効の完成する期間は、「権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時より10年」となります。
例:個人間でお金を貸したけれど、返済期日を「借主の出世した日(課長に昇進した日)」と定めていて、貸主が借主の出世した日を知らない場合は、借主が出世した時から10年で消滅時効が完成しますが、10年経過する前に貸主が、借主の会社に電話して借主の出世(課長に昇進)を知った時は知った時から5年となります。
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。
以下は、新法により説明しています。
説明で示される条文は民法の条文であり、現行新法の条文です。
A 消滅時効が完成しない事情がなければ、消滅時効が完成している可能性があります。(新法)
例えば、借金をしている人(A)が、債権者(B)から訴訟を提起された場合「時効の完成猶予」となり訴訟手続きが終了するまでの間、原則時効は完成しません。
そして、裁判手続きで「AはBに借金を払え」と言う判決が出て確定した場合、新たに消滅時効が進行を開始する(再びゼロからスタートする)ことになります。(時効の更新 新法)
そして確定判決によって確定した権利については、時効期間は10年となります
時効の完成猶予、更新になる場合については、民法147条以下に定められています。 時効の完成猶予 下記の行為がなされた場合に時効が完成しない(完成猶予)ことになります。
1、裁判上の請求(訴訟等)提起した場合 消滅時効とは
消滅時効とは一定期間、権利が行使されないと権利が消滅する民法で定められている制度です 消滅時効Q&A
消滅時効に対してよくある質問をQ&A形式でわかりやすく解説します。
但し、債務者が個人事業主や中小企業で借り入れ目的が「事業資金」等事業目的の場合は「商事債務」となりますので、商事債権の時効期間となり、5年となります。
(旧法の説明です。 令和2年4月1日(民法改正施行日)よりも前の時期に借入した債権については「商事債権の消滅時効」として5年間となっていました。同日以降は、法改正により「商事債権の消滅時効」という概念はなくなりました
権利を行使することができるというのは、例えば金銭貸付で支払期日が経過したことにより「貸金を返してください」と請求できることをいいます。
債権者が貸金業者や銀行のような会社組織であれば、権利を行使できる時を知らないはずがありませんので、5年経過によりほとんどの場合消滅時効が完成すると考えて良いでしょう。)
個人の場合は、個人債権者が権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できるときから10年となります
5年経過する前に借主が課長になってから10年経過していた場合は、その時点で消滅時効が完成となります。) Q1 私は、借り入れも返済もどちらか遅いときから5年以上前で、それ以降は借り入れも返済もしていません。
消滅時効は完成していますか?
「消滅時効の完成しない事情(時効の完成猶予)」とは、ある事実が生じた場合に、その事実の状態が終了するまでは時効が完成しない(完成猶予)という制度です。そしてある状態になった時点で新たに消滅時効が進行を開始する(再びゼロからスタートする)ことになります。(時効の更新 新法)
(第169条)
2、支払督促
3、起訴前和解、民事調停法上の調停、家事事件手続き法上の調停
4 破産手続参加、再生手続き参加、更生手続き参加(以上、147条)
5 強制執行・強制執行・担保権の実行・担保権の実行としての競売手続・財産開示手続(148条)
6 仮差押え、仮処分(149条)
7 催告(150条)(裁判によらない請求)
8 天災等(161条)
訴訟を提起することが必要です。
訴訟を介さない請求は「催告」となり催告した後の6ヶ月を経過するまでの間は時効は完成しません。(時効の完成猶予 150条)6か月以内に上記で示した権利が確定した場合に更新となります(新法 147条)
時効の更新
1 確定判決・確定判決と同一の効力を有するものによる権利の確定
(147条2項)
2 強制執行・担保権の実行・担保権の実行としての競売手続・財産開示手続の事由終了時 (148条2項)
3 債務の承認(152条1項)
本Q&Aに関して更に詳しく知りたい方は、「債務整理相談室Q&A1」をご覧下さい。
具体事例を用いてよりわかりやすく解説しています。
Q2
います。
そして借り入れ又は返済のどちらか遅い時期から5年以内に裁判を起こされて、判決が確定しました。
そして確定から5年以上が経過しました。
消滅時効は完成していますか?
A
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。
確定判決によって確定した権利については、もともと10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年となりま
す。
(新法 民法169条1項)
裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても同様です(同条同項)
また確定時に弁済期の到来していない債権については適用されません(同条第2項)
よって、判決が確定したときから10年が経過していないと消滅時効は完成していません。
本Q&Aに関して更に詳しく知りたい方は、「債務整理相談室Q&A2」をご覧下さい。
具体事例を用いてよりわかりやすく解説しています。
Q3
そのときは、消滅時効のことを知らなかったので、相手側の請求を認めて分割で支払う旨の裁判上の和解を締結しました。
今から消滅時効の完成を主張することはできませんか?
A
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。裁判を起こされたら、裁判所から「答弁書に貴方の主張を記載をして裁判所に送ってください」との通知が訴状と一緒に郵送されてきます。
その際に答弁書に債務が存在することを前提に自分のいいぶんを記載をすると「債務の承認」となってしまう可能性が高くなります。
債務の承認をすることは、消滅時効が完成していても消滅時効の権利を放棄することと同様の結果となり、消滅時効の援用をすることはできなくなります。
(昭和41年4月20日最高裁判例)
消滅時効完成後に債務の承認(弁済、和解、債務弁済契約書の締結等・・)をした場合は、時効完成後なので、時効の更新という問題にはなりませんが時効援用権の放棄とみなされて、もはや消滅時効の援用をすることはできなくなります。
消滅時効完成前に訴訟手続きで和解が成立した場合は、消滅時効の更新となります。
この場合(消滅時効完成前)は、和解後に改めて消滅時効が開始されることになります。
消滅時効の知識がなくて、相手方と訴訟上の和解をした場合でも、(消滅時効が完成する前であれば)判決が確定した場合と同様で、確定した時点から10年の消滅時効期間が完成しないと消滅時効の主張をすることはできません(新法 民法169条1項)
消滅時効完成後であれば、和解した時点で債務承認とみなされ消滅時効の援用はできなくなる可能性が高いです。
例え、和解した時点で消滅時効という制度があることを知らなかったとしても「あのときは消滅時効という制度があることを知らなかったから和解は無効だ」と主張しても、(法律上)認められないでしょう。
本Q&Aと同じ解説は、「債務整理相談室Q&A3」でも解説しています。
Q4
どうしたらよいでしょうか?
A
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。裁判手続上で消滅時効が完成している旨を主張したら、(消滅時効の援用)消滅時効が「完成猶予又は更新の事由」がない限り、消滅時効により、法律上の債務の支払い義務はなくなります。
要注意事項:消滅時効期間経過後(本事例の場合)に裁判が起こされて、その裁判手続で訴訟上の請求を認めたり(債務の認諾)または、訴訟手続に対応せずに放置して判決が出されたりして(欠席裁判)判決が確定すると消滅時効の援用の主張ができなくなる可能性があります。
判決には既判力といって「確定判決で示されたその目的とした事項に関する判断につき、当事者は別の裁判で別途争うことができなくなり、裁判所及び当事者も確定判決の判断内容に拘束される」という効力があり、「消滅時効完成前の判決確定」(その場合は消滅時効の中断・更新となる)と異なり消滅時効の期間が経過しているので消滅時効の中断や更新という問題ではなくなり、判決確定後に判決の趣旨と異なる「消滅時効援用」という主張ができなくなると考えられています。
これに対して消滅時効完成前(期間経過前)に訴訟手続きにおいて判決が出されその後(判決が)確定(訴訟の終了)、または確定判決と同一の効力を有するもの(例:和解、調停)により権利が確定した場合は、今まで進行してきた時効期間はリセットとなりそのときから新たに時効期間が開始されます。
(時効の更新)
消滅時効期間経過後の確定の場合と同期間経過前の確定の場合とでは消滅時効の権利の主張についての可否や制約につき大きく影響がありかつ相違があるので注意してください。
また自分が債務を承認(借入のあることを認めること)することは(残額の一部を弁済したりすることも承認となります)完成猶予ではなく即時に「時効の更新」となります。(民法152条)
「時効の完成猶予」とはある事由(事由とは物事の理由・原因、又はその事実)が発生した場合に、一定期間時効が完成せず、猶予されることです(旧法では「時効の停止」といいました)
「時効の更新」(旧法では「時効の中断」)とは、時効期間が進行中に、ある状態が生じた場合に時効期間がリセットされ、再びゼロからスタートすることになることです。(例: 消滅時効期間が5年の場合、もう3年経過していて、あと2年で消滅時効が完成するようなときに、更新があると3年が0になり、再び0時点から5年経過しないと消滅時効が完成しません)
「時効の完成猶予」の具体例は、訴訟を提起されたり、強制執行(差押)されたりすること等になります。
そしてそれらの事由が当初の目的を達成して終了した時(取下や取消等で中途で手続きが終了せず、手続きが最後まで行われた)から、再び時効期間が開始されます(時効の更新)
本Q&Aに関して更に詳しく知りたい方は、「債務整理相談室Q&A4」をご覧下さい。
具体的にわかりやすく解説しています。
私は、借入か返済のどちらか遅いときから5年以上経過しています
貸金業者から請求されたので、消滅時効を主張したら、「貴方の消滅時効は中断(新法では「更新」)されています。」といわれました。
詳しく聞くと、借入か返済のどちらか遅いときから5年以上経過した後に訴訟が提起されて、判決が確定したからその時点で中断(新法では「更新」)され、なおかつ、判決確定の時点から10年は消滅時効が完成しないといわれました
本人の知らないうちに裁判を起こされていることってあるものなんでしょうか?
しかも、私が消滅時効を主張する機会もなく欠席裁判で判決がでているのでしょうか?
A
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。
相手方が裁判を起こすときに、訴状に貴方の居住している住所や居所を記載してその住所に訴状が送達されて裁判が開始されるのですが、その住所に実際住んでいなかったりした場合には、訴状が裁判所に返ってきます。
訴状が送達されない場合でも、状況により(訴状が)送達されたことになる法律上の規定もあります。
(詳しくは債務整理専門サイトの送達頁「送達」をご覧下さい。)
よくあるのは、住民票上の住所と異なる住所に住んでいて、貸金業者に対しては現住所について連絡をしていない場合に、住民票上の住所(債権者は債務者の住民票を合法的に取得することができます)に宛てて裁判が起こされて、債務者の知らない間に欠席裁判によって判決がとられている場合があります。
本件の質問のケースでは、訴状が貴方の現住所に届いていて、貴方が裁判手続で「消滅時効」の主張をしていたとしたら、消滅時効が完成して法律上の支払い義務はなくなっていた可能性が高いです。
本Q&Aに関して更に詳しく知りたい方は、「債務整理相談室Q&A5」をご覧下さい。
具体事例を用いてよりわかりやすく解説しています。
Q6
突然、裁判所から「差押命令」が届きました。
消滅時効の主張はできますか?
A
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。
差押命令は、消滅時効の完成猶予および更新(根拠:民法148条 差押手続き終了時から更新となる)の事由ですが、差押命令が発令されるには、債務名義と言って「債権が確かに存在することを公に証明した書面」がないとできません。
債務名義とは、「確定した判決」や「強制執行認諾条項つきの公正証書」等です。
差押命令が発令される事前に裁判で判決がとられている可能性があります。(消滅時効が完成していない可能性があります)
※1 債務名義とは「債権が確かに存在することを公に証明した書面」のことです。
強制執行手続をする際には必要な書面となります。
※2 抵当権等の担保権の設定契約をしている場合は、「抵当証券」等が債務名義となるので、裁判手続きは不要となります。
その場合は、(手続き上は)即時強制執行可能となります。
自分の知らないうちに判決がとられているケースとしてはQ5をご覧下さい。
差押がされた場合でも、消滅時効を主張できる場合があります。
詳しく知りたい方は「債務整理相談室Q&A6」をご覧下さい。
具体事例を用いてよりわかりやすく解説しています。
借入か返済のどちらか遅いときから5年以上経過した後に、貸金業者から請求があり、分割でよいから払って欲しいといわれ、分割で払う旨の契約書にサインしました。
しかし、分割の支払いは一度もしていません。
消滅時効の主張はできるでしょうか?
A
※本Q&Aの事例は、原則貸金業者や会社からの借り入れ(消滅時効期間は原則5年間)の場合を想定しています。
分割支払いの契約書にサインをしたということは、債務を認めたことになります。
(支払っていても、支払わなくても契約書へのサイン自体が承認となります)
法律上は「債務の承認」といわれ、消滅時効の更新事由となり、(貸金業者からの借り入れの債務については)承認契約時から5年(又は10年)経過しないと消滅時効は完成しなくなります。
(新法 民法152条)
また、契約後に分割で支払った場合は、最後の支払いから5年(又は10年)経過しないと消滅時効は完成しません。
契約書に限らず、口頭で認めた場合でも「債務の承認」となります。
ただし、口頭の場合は、後々「言った」「言わない」と争う場合もあり時効更新の証明をしないといけない場合には証拠が必要となります
(例:録音等)
しかし、消滅時効完成後に債務の承認をした場合は、消滅時効の援用をすることができなくなります。(昭和41年4月20日最高裁判例)
消滅時効完成後に債務の承認(弁済、和解、債務弁済契約書の締結等・・)をした場合は、時効完成後なので、時効の更新という問題にはなりませんが時効援用権の放棄とみなされて、もはや消滅時効の援用をすることはできなくなります。本Q&Aと同じ解説は、「債務整理相談室Q&A7」でも解説しています。
Q8
私(A)は、知人BがZ銀行から融資を受ける際に頼まれてBの保証人になりました。
Bの返済方法は毎月の分割です。
Bは最初のうちは払っていたのですが、だんだん払わなくなりました。
私は、Bの保証人として(Z銀行との間で保証債務の分割の弁済の約束を交わして)毎月Z銀行に支払いをしています。
そのうち、Bが返済をしなくなって消滅時効の期間が経過したらBの債務は消滅時効により消滅するのでしょうか?
A8をご覧下さい(クリックしてください)
Q9
私(A)の父(B)は銀行から借入があり、私は連帯保証人です。
私の父が亡くなり、亡くなって2年後に父の債務の消滅時効が完成しました。
私は父の債務の消滅時効を主張できるのでしょうか?
また、私が父の死後、連帯保証人としての保証債務を弁済したのですが、この弁済は消滅時効の中断となるのでしょうか?
A9をご覧下さい(クリックしてください)
Q10
私(A)は知人(B)の借金の保証人になっています。
Q8の解説で「保証人が消滅時効完成前に債権者に弁済をしても(保証債務の時効更新)主債務の消滅時効を援用でき、結果として自分自身の保証債務の支払いも免れる。」
ということがわかりました。
そしてQ7の解説で「消滅時効完成後に承認(弁済等含む)をしたら、消滅時効の援用をすることができない」ということも理解しました。
私自身の債務(保証債務)とBの債務(主債務)の消滅時効の完成時が異なっている(保証債務の消滅時効が早く完成する場合)として、(私が保証債務の時効完成後に承認をしたら、私は保証債務の時効を援用できない
ということは理解したうえで)私が保証人の立場で主債務者Bの消滅時効(主債務の消滅時効)完成後(この時点で保証債務の消滅時効は既に完成している)に保証債務を弁済した場合(
私自身の保証債務の消滅時効を援用できないのは
当然として、保証人は主債務の消滅時効を援用できますか?また、同様の場合で、主債務者が自分自身の(主債務の)消滅時効完成後に承認をしている場合はどうなりますか?
A10をご覧下さい(クリックしてください)
Q11
Q4で「消滅時効期間経過後に判決が確定するともう消滅時効援用の主張ができなくなる可能性がある」と説明がありましたが、私の場合は訴訟が提起されたのではなく
消滅時効期間経過後に「仮執行宣言付き支払督促」の書面が届きました。
しかし、私は、その手続きに対して「異議申立」をせずにそのまま放置していました。
その後、その支払督促が
確定したとの通知を受領しました。
Q4の判決確定と同様に私も消滅時効の主張をすることはできないのでしょうか?
A11をご覧下さい
Q12
確定してから、債権者に返済(弁済)をしましたが、最後に返済をしたのは確定してから3年後です。
最後に返済をしてから、5年以上経過しましたが判決が確定してから10年は経過していません
「消滅時効の援用」はできますか?
また、判決が確定して10年以上経過後に弁済をした場合で最後の弁済から5年以上経過した場合、「消滅時効の援用」はできますか?
A12をご覧下さい(クリックしてください)
民法改正後の消滅時効の規定
令和2年4月1日施行された改正民法により、消滅時効の規定も新しく変更されています。しかし、令和2年4月1日より前に権利が生じた場合とその日以降に権利が生じた場合とでは、適用が異なります。
令和2年4月1日より前に権利が生じた場合(例:AさんがBさんに令和2年1月1日に50万円を貸した。)は旧法が適用されて改正後の新法は適用されません。
令和2年4月1日以降に権利が生じた場合は、(例:AさんがBさんに令和2年5月1日に50万円を貸した。)新法が適用されます。
(根拠:民法の一部を改正する法律附則10条 1項、4項)
よって、以下説明することは旧法の説明と新法の説明を並列的にしています。
説明書きの箇所に旧法の説明は(旧法)、改正後の新法の説明は(新法)と記載しています。
新法では、貸金業者であろうが個人であろうが、区別なく消滅時効の完成する期間は、「権利を行使することができることを知った時から5年、権利を行使することができる時より10年」となります。
(新民法166条第1項)
「権利を行使することができる」というのは、例えば金銭貸付で支払期日が経過したことにより、「貸金を返してください」と請求できることをいいます。
債権者が貸金業者や銀行のような会社組織であれば、権利を行使できる時を知らないはずがありませんので、5年経過によりほとんどの場合は消滅時効が完成すると考えて良いでしょう。
貸金業者から借入をし、最後に返済したとき又は最後に借入をしたとき(どちらか遅いときから)5年以上経過した場合は消滅時効が完成している(=借金の支払い義務がなくなる)可能性があります。
最後の返済又は最後の借入から5年以上経過していて、その間に「時効の完成猶予又は更新」(旧法では「時効の停止」、「中断」)となるような事実がない限り、 消滅時効が完成することになります。
(新民法147条)
「時効の完成猶予」とはある事由(事由とは物事の理由・原因、又はその事実)が発生した場合に、一定期間時効が完成せず、猶予されることです(旧法では「時効の停止」といいました)
「時効の更新」(旧法では「時効の中断」)とは、時効期間が進行中に、ある状態が生じた場合に時効期間がリセットされ、再びゼロからスタートすることになることです。(例: 消滅時効期間が5年の場合、もう3年経過していて、あと2年で消滅時効が完成するようなときに、更新があると3年が0になり、再び0時点から5年経過しないと消滅時効が完成しません)
「時効の完成猶予」の具体例は、訴訟を提起されたり、強制執行(差押)されたりすること等になります。
そしてそれらの事由が当初の目的を達成して終了した時(取下や取消等で中途で手続きが終了せず、手続きが最後まで行われた)から、再び時効期間が開始されます(時効の更新)
具体例:訴訟手続きにおいて判決が出されその後(判決が)確定(訴訟の終了)、または確定判決と同一の効力を有するもの(例:和解、調停)により権利が確定した場合、そのときから新たに時効期間が開始されます(時効の更新)
自分が債務を承認(借入のあることを認めること)することは(残額の一部を弁済したりすることも承認となります)完成猶予ではなく即時に「時効の更新」となります。
(民法152条)
消滅時効の正確な起算点は下記を参照ください。
原則、貸付け金の請求権の消滅時効の起算点は、支払期日(正確にはその翌日)となります。
リボルビング取引の場合には、「期限の利益喪失(貸付金を一括で返済しなければならなくなること)の日」を定めている場合が多く、その期日の翌日が消滅時効の起算点となります。
※リボルビング取引とは予め締結する基本契約(包括契約)において、貸付金利、貸付限度額、返済方式等の基本事項を定めておき、それに従って、借入と 返済を繰り返す貸付形態
もし、5年以上借入も返済もしていない場合で、貸金業者から、請求されたり、訴訟を提起されたりした場合は、お気軽に当事務所にご相談ください。
消滅時効が完成している場合は、消滅時効を援用 することにより、(簡単に言うと)借金が無くなるということになります。 {貸金業者が自ら有する債権(貸金を請求する権利)の権利を行使できなくなるということになります}
消滅時効詳細
消滅時効について、更に詳しく知りたい方は、当事務所債務整理専門サイトの「消滅時効 解説」をご覧下さい。 会話形式でわかりやすく解説しています。
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相談事例
相談事例1 裁判所から訴状が来た 訴えられた
裁判所から自分宛てに書面が来ても封をあけずにそのまま放置してしまうと、最悪の場合、負わなくてもよい負担を背負ってしまうこともあります。
必ず内容を確認しましょう。
消滅時効により解決できることが多くあります。
詳しくは「相談事例1」をご覧ください。
相談事例2 消滅時効の更新(判決・差押)
消滅時効が更新されていたが、その後の時効完成後に更に時効の更新があった。司法書士の消滅時効主張により解決できた経験談です。
詳しくは「相談事例2」をご覧ください。
相談事例3 消滅時効の更新(債務の承認)
既に消滅時効が完成していた昔の債務について突然、請求されて、思わず債務を認めてしまった。司法書士の消滅時効主張により運よく解決できた経験談です。
詳しくは「相談事例3」をご覧ください。
相談事例4 れいわクレジットから請求が来た
突然、「れいわクレジット」という会社から身に覚えのない請求が来た。昔作ったニコスカードの借入で返済していない場合、「れいわクレジット」から請求される事例が多くなっています。
ほとんどの請求は、消滅時効が完成しているケースです。
電話があった場合も、即答しないで、先ずは当事務所までご相談ください。
詳しくは「相談事例4」をご覧ください。
相談事例5 裁判所から「支払督促」(オリンポス債権回収㈱)が来た
最近、当事務所に「裁判所から書面が来た。私宛にオリンポス債権回収㈱が請求する形式で「支払督促」という書面が来た」という相談、依頼が多くなっています。当職の経験上、ほとんどの請求は、消滅時効が完成しているケースが多いです。
裁判所から来た書面(支払督促)には〇日までに答弁書を出してください。と記載されています。
決して放置せずに(放置すると、様々な不利益を生じます。)先ずは当事務所までご相談ください。
詳しくは「相談事例5」をご覧ください。
消滅時効のご相談・お問い合わせ
自分の借入が消滅時効に該当するかどうか、消滅時効を援用することについてのご相談、ご依頼については当事務所
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相談無料です。
相談方法は「事務所での面談」「メールによる相談」「LINEによる相談」(下記参照)とご都合に合わせて対応しています。
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 ご相談内容の秘密厳守
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(司法書士の守秘義務)
又、当事務所では、過去の全ての相談、受任事件においても守秘義務違反に該当する事故は1件もありません。
安心してご相談下さい。